日本酒の沼にハマり、唎酒師の資格を取得した伊藤ひいなさんが、多くの旅やグルメをテーマにした雑誌から引っ張りだこのフォトグラファーの父、伊藤徹也さんと、杜氏のふるさと信州 小谷村を旅した3日間。 雨飾荘に宿泊し小谷村・信州の山の幸を味わった1泊目のストーリー その2。
(今回は特別に電子レンジを持ち込んでの企画です。)
純米酒「月波の月」。お米は小谷村百姓七人衆の方々が作ったひとごごちを全量使用。
お燗にするとまるで稲穂が思い浮かぶような味わいに。
今時に例えるならば......米のレアチーズケーキ!濃厚さが極み立つ!
挽き立ての穀物のような香りが熱燗にすることでより香ばしくなり、
米を感じさせてくれます。
普通酒「月波の波」。冷やではキリリしていたお酒ですが、お燗にするとするすると飲みやすいお酒に。
脂ものの食事との相性がとても良いのが驚き。
冷やでは脂を切りますが、お燗では脂に味が乗っかり同じ方向を向いてくれる。
料理を選ばない、特別なお酒。
薄井商店さんが目指す「飲み飽きしないお酒」とはこのことか!とお父さんも思わず笑みを浮かべます。
冷やを飲んだらお燗を。
お燗を飲んだら冷やを。繰り返すことにより深みが増します。
ほんのり頬が赤くなってきた隆さん。実はお父様は小谷杜氏だそう。
生まれ育った村の地酒を造り、飲む。
親子で守っているような、そんな気がしました。
朝一番で源泉掛け流しの温泉で温まり、外に出ると透明な空気が迎えてくれます。
それもそのはず、雨飾荘は標高900mに位置します。
身体に残った少しの月波が、また小谷村の食事を欲するのです。
身体もすっかり小谷村にメロメロ。
小谷村を食事で感じ、緑を身体で感じる。
雨飾荘では秋が近づく様子を熱燗を通して堪能しました。