日本酒とはお米をこして造る「清酒」のことを指します。さらに清酒は「特定名称酒」と そうでないものに分けられます。
特定名称酒とは、「純米酒」「吟醸酒」「本醸造酒」と、原料や精米歩合などの要件を満たす日本酒に「特定の名前」が与えられているものです。
それ以外の特定名称酒に含まれない日本酒は、一般的に「普通酒」と呼ばれています。
普通酒は、原料や精米歩合に要件がないため、比較的リーズナブルな価格帯で販売されています。
本記事では製造工程や飲み方など詳しく説明していきますので、日本酒の知見を深め、さらに楽しめるようになりましょう!
純米酒はその名前の通り、醸造アルコールが添加されていない、純粋にお米だけを原料にした日本酒です。
醸造アルコールとは、主にサトウキビを原料として発酵させた純度の高いアルコールのことをいいます。
米だけで造っているからこそ、米本来の旨味、ふくよかなお米の香りが楽しめるのが特徴です。
対して、吟醸酒と本醸造酒は、醸造アルコールを添加しています。
純米酒と吟醸酒・本醸造酒の違いを一言で言うと、醸造アルコールが含まれているか否かなのです。
吟醸酒と本醸造酒は、醸造アルコールが添加されている点は同じですが、具体的な違いが2点あります。
1点目が「精米歩合」です。
本醸造酒は70%以下、吟醸酒の精米歩合は60%以下、大吟醸酒は50%以下と種別ごと決められています。
本醸造酒は、香りは控えめでスッキリとした辛口のお酒が多くなります。
2点目は、吟醸酒は「吟醸造り」という製法で造られているということです。
吟醸造りとは、よりよく磨いたお米を、通常よりも低い温度で長時間発酵させる方法です。吟醸酒はその吟醸造りによって、フルーティで華やかな香りのお酒が多くなります。
高品質な日本酒を造るためには、酒米をより白く精米する必要があります。近年では、酒米の三分の二を削り取る 33%精白の精米 も行っています。
蒸米に黄麹菌を植えて麹を造ります。酒母・もろみをいれて米のデンプンを糖化していく役割を果たします。
蒸米・水・麹に酵母を加え、酵母を大量に培養したもの。文字通り「酒の母」といえます。
日本酒造りの特徴である三段階に分けて仕込みをする段仕込を行います。段仕込は、雑菌の繁殖を抑えつつ酵母の増殖を促し、もろみの温度管理をしやすくする 独特の方法です。
酒母に麹・蒸米・水を加えて、もろみ を仕込みます。この もろみ がやがて"原酒"となります。
発酵を終えたもろみは、圧搾機で搾られ 酒と酒粕に分けられます。新酒は、ろ過・ 加熱され貯蔵されます。製成後、一切加熱処理をしないお酒を生酒、出荷の際に 加熱処理するお酒を生貯蔵酒といいます。
日本酒は世界でも類を見ない味わいの 深さと飲む温度帯の幅広さを持ってい ます。
季節やお酒の種類、そしてあなたの気分にあわせて自由に、美味しく日本酒 をお楽しみ下さい。
冷酒は、冷やした日本酒のことです。一般的に、日本酒は冷やして飲むことでキリッと爽やかな味わいに感じられます。
スッキリとした清涼感があるため、軽快でなめらかなタイプの爽酒(本醸造酒など)や香り高い薫酒(吟醸酒・大吟醸酒など)は冷酒で楽しむのがおすすめです。
冷酒のオススメは純米吟醸 栂の森 や 純米吟醸無濾過原酒 小谷錦などがあります
日本酒の「冷や」と言えば常温のことです。
約15~25℃程度で、口に含んだときにやや冷たく感じる程度の温度です。
冷酒と燗酒の中間的な味わいを感じられます。
私たちの生活のなかでは、飲み物を常温で楽しむことはあまり多くありません。しかし日本酒には、常温で飲むという楽しみ方があるのです。
冷やして飲むときよりも香りが立ち、口当たりも優しくなります。長期熟成したものや純米酒などの日本酒の風味や米の旨味などを味わいたいときには、冷酒よりも冷やがおすすめです。
冷やのオススメは 純米吟醸 小谷錦 火入 や 純米吟醸 雨飾山などがあります。
日本酒を温めると、日本酒の豊かな香りが際立ちます。温めて飲む日本酒のことを燗酒と言いますが、中でも40℃以下の低めの温度のものを「ぬる燗」と言います。
ぬる燗はまろやかな香りと旨味を楽しむことができるので、純米酒によく合います。また、吟醸酒などの香り高いタイプもぬる燗で楽しめますが、甘味と酸味の両方が感じられるので、好みや状況に合わせて楽しみましょう。
ぬる燗よりさらに温度を熱くすると熱燗となり、より一層お米の旨味と甘味が膨らみます。個性のある風味を存分に味わいたいときには熱燗がおすすめです。
もし、風味が重いときや酸味が強く感じられるときには、少し時間を置いて温度を変えて好みの味わいを楽しむことができます。
ぬる燗〜熱燗のオススメは普通酒 月波の波 や 純米酒 月波の月があります。
一般的に温度を上げると香りと味わいが引き締まり「辛口」に感じやすいです。
同一のお酒でも、冷酒でやわらかく感じたお酒が、温度を上げると全く表情の違う
シャープな辛口に感じてしまうくらい温度の影響を受けます。
これを踏まえて、もし好みの味わいでなかった日本酒も温度を変えて飲むことで、美味しいと感じることもあるので、一つの楽しみ方としておすすめします。
小谷錦
小谷(おたり)村産の白樺錦で醸した純米吟醸酒。
・火入
小谷産の白樺錦で醸した、純米吟醸酒小谷錦。
淡麗でやや辛口のお酒です。
冷蔵管理が難しい方の声にこたえて、火入れをご用意しました。
アルコール度数:15度
精米歩合:59%
おすすめの温度帯:冷や〜ぬる燗
・生酒
1度も火入れを行わないため、蔵出しそのままの新鮮さを持ち合わせており、芳醇な香りと淡麗でやや甘口な味わいが特徴。
アルコール度数:15度
精米歩合:59%
おすすめの温度帯:冷酒
・無濾過生原酒
純米吟醸酒小谷錦の無濾過原酒です。
その名の通り、絞った原酒をそのまま瓶詰したもので、香りが良く、スッキリと飲みやすいのが特徴。毎年限定300本生産のため数量限定のお酒です。
アルコール度数:16度
精米歩合:59%
おすすめの温度帯:冷酒
栂の森
小谷杜氏下原多津栄大杜氏の教えを今も実直に守る大信州醸造。 そんな大信州酒造の純米吟醸酒を、標高1,500メートルの栂池高原に埋雪し、熟成させた氷雪熟成酒。 雪の中は日本酒の熟成に最適な気温0度の環境をキープします。 雪の中で熟成させることで、より味わいに厚みが増し、まとまりがあるスッキリと した味わいになっています。 爽やかな酸味とフルーティーな香りでとても飲みやすい辛口のお酒です。 小谷村でしか販売していない数量限定の日本酒。
アルコール度数:16度
精米歩合:59%
おすすめの温度帯:冷酒
※6月上旬からの販売予定です
雨飾山
小谷村を代表する百名山のひとつ「雨飾山」
その雨飾山の伏流水で大切に育てたお米”あきたこまち”で仕込んだお酒です。
お米はあきたこまちをはざかけした「はざかけ米」を使用します。 はざかけ米とは、秋に刈り取った稲を天日と澄んだ風に当て、自然の気候の寒暖差を生かして米を乾燥・熟成させる工程です。
人の手によってしかできない作業のため、手間ひまがかかりますが、よりおいしいお米になると言われています。
・純米吟醸酒
フルーティーな香りが特徴で、飲みやすく澄んだ甘口が特徴。
アルコール度数:16度
精米歩合:59%
おすすめの温度帯:冷酒〜冷や
・無濾過生原酒純米吟醸酒
無濾過原酒の「雨飾山」を雪中埋蔵したこだわりの一品。
約3ヶ月の期間、雨飾山麓の雪に埋雪し熟成させました。
白ワインを思わせるような芳醇な香りが特徴。
アルコール度数:17度
精米歩合:59%
おすすめの温度帯:冷酒
※3月下旬からの販売予定です
月波シリーズ
銘酒『白馬錦』で知られ、広く愛され続けている小谷杜氏の蔵「薄井商店」が手掛けるお酒です。
小谷村で育てた酒米”ひとごこち”を 100%使用して醸造しました。米麹には長野県産のお米を使用しています。
熱燗で口に含んだ時の酸味・甘み・旨味のバランスが良いお酒。常温では酸味が抑えられ、熱燗より軽く召し上がられます。
人気イラスト作家の西淑氏のラベルで、年齢や性別問わず親しみやすいデザインに仕上がりました。
・月波の波
小谷産の酒米ひとごこちで醸した普通酒。熱燗時はとても淡麗でついつい杯が進みます。とても辛口のお酒なので、常温でもスッキリと召し上がれます。
アルコール度数:15度
精米歩合:70%
おすすめの温度帯:ぬる燗〜熱燗
・月波の月
味わい:小谷産の酒米ひとごこちで醸した純米酒。熱燗で口に含んだ時の酸味・甘味・旨みのバランスがとても良いお酒。常温では酸味が抑えられ熱燗より軽く召し上がれます。
アルコール度数:15度
精米歩合:70%
おすすめの温度帯:ぬる燗〜熱燗
かつて小谷に暮らす男性の主な冬仕事の一つだった酒造り。 江戸時代より男衆達が冬の仕事ととして、松本・木曽・長野・伊那と信州各地の蔵元に出掛け、冬の始まりから田植えが始まる頃まで酒造りにあたり、家族の暮らしを支えました。
そのため、小谷村では「杜氏(とうじ)」と呼ばれる蔵の監督人に値する優秀な職人がたくさん生れたことから、酒造りの世界では有名な「小谷杜氏」というブランドができるまでになりました。
今回紹介した日本酒の多くは小谷杜氏が関わっています。 古くから日本酒に親しんだ歴史背景を持つ小谷村の日本酒は個性豊かです。 是非ご賞味ください!